1. 五十音図ハ行の第2音。硬口蓋の無声摩擦子音[ç]と母音[i]とから成る音節。[çi]

  1. 平仮名「ひ」は「比」の草体から。片仮名「ヒ」は「比」の旁 (つくり) から。

[補説](1) 「ひ」は古くは両唇の無声摩擦子音[Φ]と母音[i]とから成る音節[Φi]であり、さらに奈良時代以前には[pi]であったかともいわれる。室町時代末までは[Φi]であったが、江戸時代に入り、[çi]と発音されるようになった。(2) 「ひ」は、平安時代半ば以後、語中語尾では、一般に[wi]と発音され、のち、さらに[i]と発音されるようになった。これらは、歴史的仮名遣いでは「ひ」と書くが、現代仮名遣いでは、すべて「い」と書く。

いち。ひとつ。声に出して数をかぞえるときの語。ひい。「一、ふ、み、よ」

  1. (「陽」とも書く)

    1. ㋐太陽。日輪。おひさま。「日が昇る」「日が沈む」「日が傾く」

    2. ㋑太陽の光線。日ざし。日光。「日がさす」「日に干す」「日に焼ける」

  1. 日の出から日没までの間。ひるま。「日が長くなる」「日が暮れる」

  1. 地球が1回自転する間。二十四時間。一昼夜。「日に八時間働く」

  1. 日数。ひにち。「転居してまだ日が浅い」「日がたつ」

  1. ある特定の1日。「雨の日」「休みの日」「母の日」

  1. 日時。日限。「締め切りの日が迫る」「出発の日を決める」

  1. 毎日。日々。「幸せな日を送る」「日掛け貯金」

  1. 主として過去の、時・折・時代。「ありし日の姿」「若い日の思い出」

  1. 暦の上での吉凶。日柄。「よい日を選ぶ」「日が悪い」

  1. 10 空模様。天候。日和。「今日はおだやかな日だ」

  1. 11 (「…した日には」「…と来た日には」などの形で)場合。多く、下に否定的な表現を伴う。「雪でも降った日にはどうにもならない」「あいつと来た日には約束を守ったことがない」

  1. 12 紋所の名。太陽をかたどったもの。

  1. 13 《太陽を神格化した日の神、天照大神 (あまてらすおおみかみ) の子孫の意から》皇室や皇族に関することにつけていう。「日の御門」

    1. 「高光る―の御子」〈・中・歌謡〉

  1. 同等に扱われること。同列におかれること。たぐい。「速球にかけては彼の比でない」「日本人の勤勉さは他に比を見ない」

  1. 詩経」の六義 (りくぎ) の一。たとえを用いて気持ちを述べる詩の叙述法。

  1. 二つの数abがあるとき、abの何倍であるかの関係をabに対する比という。abと表す。

  1. 名詞に付いて、それと比較する意を表す。「前年比で三割の増収」

  1. 物が燃えて光や熱を出す状態や現象。また、その炎。「火が燃える」「火山が火を噴く」「額が火のように熱い」

  1. 炭火。おき。「火鉢に火をつぐ」

  1. 物を煮炊きする火や熱。「やかんを火にかける」「オーブンに火を入れる」

  1. 火打ちの火。「火を打つ」

  1. 火の粉。火花。「目から火が出る」

  1. タバコの火。「火を貸して下さい」

  1. 火の気。火のあたたかみ。「火のある部屋」

  1. 火事。「火を出す」「火の元」

  1. (恋や怒りなどで)胸の中に起こる激しい感情。「嫉妬の火を燃やす」

  1. 10 狼煙 (のろし) 。

    1. 「天下に兵革おこる時、所々に―を上げ」〈平家・二〉

  1. 11 月経。

    1. 「奥様の十九めかけの―が止まり」〈柳多留・五〉

[補説]作品名別項。→
  1. 水のこおったもの。こおり。

    1. 「―を、物の蓋に置きて割るとて」〈・蜻蛉〉

  1. 雹 (ひょう) 。

    1. 「いとかく地の底とほるばかりの―降り」〈・明石〉

眼球にくもりを生じて目が見えなくなる病気。そこひうわひなど。〈和名抄

  1. 皇族の妻の称。「妃殿下」

  1. 律令制で、皇后の次に位する後宮の女官。

《「」と同語源》周囲を明るく照らすもの。あかり。ともしび。「窓に灯がともる」「町の灯」

賛成しないこと。承認しないこと。「否とする者多数」

織機の付属用具の一。横糸とする糸を巻いた管を、舟形の胴部の空所に収めたもの。端から糸を引き出しながら縦糸の間を左右にくぐらせる。シャトル。

[名]
  1. 道理に反すること。正しくないこと。「非をあばく」⇔是 (ぜ) 

  1. あやまり。欠点。「自分の非を認める」

    1. 「横画は三本なり。二本に書くは―なり」〈子規・墨汁一滴〉

  1. 物事がうまくいかないこと。「戦況は日ごとに非となる」

[接頭]名詞・形容動詞に付いて、それに当たらない、それ以外である、などの意を表す。「非民主的」「非科学的」「非常勤」「非ピリン系感冒薬」
  1. 将棋で、「飛車 (ひしゃ) 」の略。

  1. 野球で、「飛球」の略。フライ。「右飛」「中飛」

古代中国の五刑の一。ひざから下を切り取る刑。あしきり。

  1. 人に見せたり知らせたりしてはならないこと。秘密。「秘中の秘」「丸秘の文書」

  1. 内容をはかり知ることのできないこと。奥義。

    1. 「此の―といふは、ただ難なき歌を出したる所をいふとなり」〈三冊子・黒双紙〉

かわくこと。かわき。他の名詞の上に付いて複合語をつくることが多い。「―が足りない」「―潟 (がた) 」「―物 (もの) 」

悲しみ。

「情切に―迫り」〈織田訳・花柳春話

五臓の一。脾臓。「脾機能」

  1. 水を送り流すために、竹・木などで作った管。とい。

  1. せき止めた水の出口に設けた戸。開閉して水を出入りさせる。水門。

  1. 物の表面につけた細長い溝。「物差しの樋」

  1. 日本刀の側面の峰近くにつけた細長い溝。重さを軽くしたり、血走りをよくしたりするためのもの。血流し。

後世に伝えるために先人の事跡・氏名などを石に刻んで建てたもの。いしぶみ。「碑を建てる」

濃く明るい赤色。緋色。あけ。

ヒノキの古名。

「真木栄 (さ) く―の御門 (みかど) 」〈・下・歌謡〉

ひぐま」に同じ。

「今日の獲物は熊 (ゆう) に非ず―に非ず」〈太平記・三〇〉

[接頭]形容詞に付いて、いかにもそういう感じがするという意を表す。「ひ弱い」
[接頭]行為を表す漢語に付いて、他から…される、他からその行為をこうむる、などの意を表す。「被選挙権」「被保険者」
[接頭]血縁関係を示す語に付いて、それよりさらに1代離れた関係にある意を表す。ひい。「曽じじ」「曽まご」

ひつ

《原題、(イタリア)Il Fuocoアルチンボルドの絵画。板に油彩。縦67センチ、横51センチ。「四大元素」と総称される寄せ絵の連作の一。薪やろうそくなど、火にまつわるさまざまな物で構成される。ウィーン、美術史美術館所蔵。