[補説](1) 「へ」は、古くは両唇の無声摩擦子音[Φ]と
母音[e]とから成る
音節[Φe]であり、さらに奈良時代以前には[pe]であったかともいわれる。室町時代末までは[Φe]であったが、江戸時代に入り、[he]となった。(2) 「へ」は、平安時代半ば
以後、語中語尾では
一般に[we][je]と
混同し、室町時代末には[je]と
発音されたが、のちさらに[e]と
発音されるようになった。これらは歴史的仮名遣いでは「へ」と書くが、現代仮名遣いでは、
助詞「へ」
以外はすべて「え」と書く。