1 ボタン科の落葉低木。高さ1〜2メートル。葉は大きく、羽状複葉で、互生する。5月ごろ、白・紅・紫・黄色などの大形の花が咲く。花びらは5〜8枚あるが、重弁や二段咲きなどさまざまな園芸品種があり、寒牡丹もある。根皮を漢方で女性の浄血薬などに用いる。中国の原産で、古くから栽培。花の王とよばれ、二十日草 (はつかぐさ) ・深見草 (ふかみぐさ) ・名取草 (なとりぐさ) などの異称もある。ぼうたん。《季 夏》「—散りてうちかさなりぬ二三片/蕪村」
3 襲 (かさね) の色目の名。表は白、裏は紅梅。女房の衣では、表は薄い蘇芳 (すおう) 、裏は白。ぼうたん。
4 《「獅子 (しし) に牡丹」の「獅子」を「猪 (しし) 」にとりなしていう》イノシシの肉。
出典:青空文庫
・・・があるばかりでなく、牡丹に唐獅子の絵を描いた相乗の人力車や、硝子・・・ 芥川竜之介「開化の良人」
・・・いて、その前に造花の牡丹が生けてあると云う体裁だがね。夕方から雨・・・ 芥川竜之介「片恋」
・・・が、それは王氏の庭の牡丹が、玉欄の外に咲き誇った、風のない初夏の・・・ 芥川竜之介「秋山図」