《推量の助動詞「む」のク語法。上代語》…だろうこと。…しようとすること。

「もみち葉の過ぎ―惜しみ思ふどち遊ぶ今宵は明けずもあらぬか」〈・一五九一〉

[名]
  1. 布を縫い合わせるなどして作り、仕切りや隔て、また装飾として垂らしたりめぐらしたりするもの。「―を張る」「紅白の―」

  1. 劇場などで、舞台の前面に垂らし、舞台と客席とを仕切る布。「―を下ろす」

  1. 演劇で、幕2を開けてから閉じるまでのひとまとまりの場面。脚本全体の大きな段落。幕の開閉を伴わない小段落を場というのに対する。「最初の―の通行人役を演じる」

  1. 演劇で、幕2を引いてある場面を終わりにすること。「見得を切って―にする」

  1. 場面。場合。「君などの出る―ではない」

  1. 物事の終わり。「騒動もこれで―となる」

  1. 相撲で、幕内。「―下」

[接尾]助数詞。演劇の一段落を数えるのに用いる。「二―三場」「一―物」
  1. 物の表面を覆う薄い皮。

  1. 生物体の臓器・組織を覆い、また隔てている薄い平面状の細胞層。

[動カ下二]《支配者が命令して行動させる意》
  1. 官職に任じる。また、任命して派遣する。

    1. 「まつろはぬ国を治めと皇子 (みこ) ながら―・け給へば」〈・一九九〉

  1. 命じて退去させる。

    1. 「時に皇孫、姉は醜しとおぼして、召さずして―・け給ふ」〈神代紀・下〉

[動カ四]に同じ。
    1. 「大君の遠 (とほ) のみかどと―・き給ふ官 (つかさ) のまにま」〈・四一一三〉

[補説]四段「まき」は万葉仮名表記「麻気 (まけ) 」を誤読したところから生じたとする説がある。

[動カ四]

  1. 枕にする。枕にして寝る。

    1. 「かくばかり恋ひつつあらずは高山の岩根 (いはね) し―・きて死なましものを」〈・八六〉

  1. 《「まぐ」とも》女性と共寝する。抱いて寝る。また、妻とする。

    1. 「秋萩の妻を―・かむと」〈・一七六一〉

[動カ五(四)]

  1. 物のまわりに、ゆるみのないようにからみつける。「包帯を―・く」「グリップにテープを―・く」

  1. 長い物・平らな物を、その一端を軸にするように丸める。「反物を―・く」「紙を筒状に―・く」

  1. 渦巻き状にする。また、渦巻き状になる。「蛇がとぐろを―・く」「朝顔のつるが―・く」

  1. ねじ・ぜんまいなどをねじり回して締める。「ぜんまいを―・く」「竜頭を―・く」

  1. 物を、それについている綱や鎖を軸にからませて、持ち上げる。「錨 (いかり) を―・く」

  1. まわりを取り囲む。包み込む。「煙に―・かれる」

  1. 連歌・俳諧の付合 (つけあい) をする。「歌仙を―・く」

  1. 登山で、ルートの途中にある難所を避け、迂回して登る。また、そのように道がついている。「大滝を―・いて沢筋をつめる」「頂上を―・く道」

  1. テレビ・演劇などで、予定した時間よりも早まる。「撮影が1時間―・いて終わる」⇔押す

  1. 10 (「舌をまく」の形で)言葉も出ないほど驚いたり、感心したりする。「子供ながらも巧みな演奏に舌を―・く」

  1. 11 (「管 (くだ) をまく」の形で)酒に酔って、とりとめのないこと、不平などを繰り返し言う。「飲んではくだを―・いてばかりいる」

  1. 12 (「証文をまく」の形で)借りをなしにする。

    1. 「丁度いいから証文位はきれいに―・いてやろうかと思っているんだ」〈荷風腕くらべ

  1. 13 呼吸が荒くなる。

    1. 「息ガ―・ク」〈日葡

[可能]まける
[動カ下二]まける」の文語形。

[動カ下二]

  1. 前もって用意する。設ける。

    1. 「頂髪 (たぎふさ) の中より、―・けし弦を採り出して」〈・中〉

  1. その時節を待ちうける。また、待ちうけた時節になる。

    1. 「磯の間 (ま) ゆ激 (たぎ) つ山川絶えずあらばまたも相見む秋かた―・けて」〈・三六一九〉

[動カ五(四)]

  1. 植物の種子を畑などに散らす。また、土に散らし埋める。「もみを―・く」

  1. (「種をまく」の形で比喩 (ひゆ) 的に用いて)物事の原因をつくる。「騒動の種を―・く」「自分で―・いた種」

  1. 蒔絵 (まきえ) をつくる。「流水の文様を―・いた文箱 (ふばこ) 」

[可能]まける
[動カ五(四)]《「蒔 (ま) く」と同語源》
  1. 広い範囲に細かく振るようにして散らす。散布する。ばらまく。「玄関先に水を―・く」「塩を―・いて土俵に上がる」

  1. 散らして、大勢に行き渡らせる。「びらを―・く」

  1. 話などを周囲に広める。「うわさを―・く」

  1. 連れの者などの目をくらまし、故意にはぐれる。「尾行を―・く」

[可能]まける

出典:gooニュース

出典:青空文庫