[名]
  1. 今まさに物事が目の前に迫っていること。予期しない緊急事態にあること。「—の場合に役立てる」

  1. 目前のとき。さしあたっての今。

    1. 梓弓 (あづさゆみ) 末は寄り寝む—こそ人目を多み汝 (な) を端に置けれ」〈・三四九〇〉

[副]
  1. (あとに打消しや反語表現を伴って)

    1. ㋐打消しの推量を強める。よもや。「—彼が来るとは思わなかった」「この難問を解ける者は—あるまい」

    2. ㋑ある事がとうてい不可能だという気持ちを表す。とても。どうしても。「病気の彼に出て来いとは—言えない」

  1. その状態であることを肯定して強調するさま。まさしく。ほんとうに。

    1. 「—影口が耳に入ると厭なものサ」〈二葉亭浮雲

[補説]真逆」とも当てて書く。
[用法]まさか・[用法]よもや——「まさか(よもや)オリンピックに出られるとは思わなかった」「まさか(よもや)私を疑っているわけではないだろうね」のように、両語ともに、そんなことはあるはずがないという気持ちを強める表現で、打消しを伴って用いられる。◇「まさか」は「まさかの時に備えて貯金する」のように名詞としても使うが、「よもや」に名詞用法はない。また、容易に信じられない気持ちを感動詞的に表す用法もある。「『この辞書を五十円で売ろうか』『まさか』」、この場合には「よもや」は使えない。◇「よもや」は「まさか」より古風な言い方で、改まった感じの語。「あの約束をよもやお忘れではないでしょう」「この家がよもや地震倒壊することはあるまい」

《「マサ化」とも書く》花崗岩からなる基盤岩が風化して土壌化すること。また、その状態。→真砂土 (まさつち) 

出典:青空文庫

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