[補説]「目 (め) どうな」の音変化。「どうな」は、むだになることで、見るだけむだなものが
原義。「な」が形容動詞連体形語尾の「な」のように
意識され、「めどう」「めんどう」となり、「面倒」と当て字されるようになった。
[用法]面倒・[用法]厄介——「面倒な(
厄介な)
問題をかかえこんだ」「
入国には面倒な(
厄介な)手続きが
必要だ」「面倒(
厄介)をおかけしてすみません」など、わずらわしいの意、また人をわずらわすの意では相通じて用いられる。◇「面倒」は
気分としてわずらわしいという意が強いのに対し、「
厄介」は
事柄そのものが
手間がかかってむずかしいというときに多く用いられる。「ごはんをたくのが面倒だから店屋物にしよう」「面倒がらずに
辞典を引こう」では、ふつう「
厄介」は使わない。◇「
後輩の面倒を見る」は、
世話をするの意。「知人の家に
厄介になる」は、
世話になるの意。それぞれ置き換えはできない。◇「面倒」「
厄介」よりも文章語的な言い方として「
煩雑」がある。「
煩雑に入り組んだ人間関係」「事後処理の
煩雑さに音を上げる」などと用いる。