[形][文]やさ・し[シク]《「優しい」と同語源》
  1. 理解習得がしやすい。単純でわかりやすい。平易である。「—・い本」「—・くかみくだいて話す」⇔難しい

  1. 解決実現がたやすい。面倒なことがなく、容易である。「だれにでもできる—・い仕事」「批評するだけなら—・い」⇔難しい

  1. 不用意である。

    1. 「猿楽に然様 (さやう) ならん—・しき戯れ事は、止むべし」〈今昔・二八・三三

[派生]やさしげ[形動]やさしさ[名]
[用法]やさしい・[用法]たやすい——「その問題解決するのはやさしい(たやすい)」「やさしい(たやすい)仕事」のように、楽に処理できるの意では相通じて用いられる。◇「コンピューターについてやさしく説明する」のように、わかりやすいという意は「やさしい」だけのもので、「たやすい」にはない。◇「たやすく解ける問題」「たやすく学べる英会話」のように、わけなく、楽にという意の副詞的用法では「たやすく」が適切で、「やさしく」はふつう使わない。◇類似の語に「容易」と「平易」がある。「容易」は「たやすい」とほとんど同義だが、「不信感は容易なことでは消えない」などの慣用的な使い方では「容易」を用いる。「平易」は「やさしい1」と同義で、「むずかしい教義平易に説いて聞かせる」などと用いる。
[形][文]やさ・し[シク]動詞「痩 (や) す」の形容詞化で、5原義
  1. 姿・ようすなどが優美である。上品で美しい。「—・い顔かたち」「声が—・い」

  1. 他人に対して思いやりがあり、情がこまやかである。「—・く慰める」「—・い言葉をかける」

  1. 性質がすなおでしとやかである。穏和で、好ましい感じである。「気だての—・い子」

  1. 悪い影響を与えない。刺激が少ない。「地球に—・い自動車」「肌に—・い化粧水」

  1. 身がやせ細るような思いである。ひけめを感じる。恥ずかしい。

    1. 「なにをして身のいたづらに老いぬらむ年のおもはむ事ぞ—・しき」〈古今・雑体〉

  1. 控え目に振る舞い、つつましやかである。

    1. 「繁樹は百八十に及びてこそさぶらふらめど、—・しく申すなり」〈大鏡・序〉

  1. 殊勝である。けなげである。りっぱである。

    1. 「あな—・し、いかなる人にてましませば、味方の御勢は皆落ち候ふに」〈平家・七〉

[派生]やさしげ[形動]やさしさ[名]やさしみ[名]

出典:青空文庫

出典:gooニュース

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