・・・大衆に理解され、愛され、大衆の感情欲求に結びついてアジ・プロする文学はそこから生れてくるのであろう。そして、今や、組織によるそれが具体的解決への一歩がふみだされなければならない。 黒島伝治 「農民文学の問題」
・・・と化し前年より父が預かる株式会社に通い給金なり余禄なりなかなかの収入ありしもことごとくこのあたりの溝へ放棄り経綸と申すが多寡が糸扁いずれ天下は綱渡りのことまるまる遊んだところが杖突いて百年と昼も夜ものアジをやり甘い辛いがだんだん分ればおのず・・・ 斎藤緑雨 「かくれんぼ」
・・・『戦旗』が一九二九年ごろ、片岡鉄兵の「アジ太・プロ吉世界漫遊記」をのせて大好評であった。一九三一年に「ナップ」は、数人の作家に課題小説をわりあてた。農民小説は誰、労働者小説は誰、という風に。そして、作者はソヴェト同盟の生活をどっさり紹介・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」
・・・強制献金のための村の衆の集りに出て、アジ・プロしようという機会そのものの積極的なとらえかたは、間違った方法によって失敗に帰したのだが、僕というプロレタリア作家は、手紙のこの部分になると、階級的先進分子としてオルグ的活動と作家的活動とを、完全・・・ 宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
・・・ 出征兵士の相当ある地方では、出征兵士の家族の若い婦人たちを茶話会、或いはその他の形であつめ、ブルジョアのバラまく戦争へのアジ、例えば桜井忠温の「銃剣は耕す」などという軍事通信の曝露をやり、次第にサークルへ組織して行くようなことも考えら・・・ 宮本百合子 「国際無産婦人デーに際して」
出典:青空文庫