・・・革命当時、ブルジョア・インテリゲンチアの社会民主主義者連はボルシェヴィキーに対して何といったと思います? こういってたんです。「パリ・コンミューンは、あれでも二月と二日続いた。が、ボルシェヴィキーの政府は三日もちゃしない。やらせて見るのもよ・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・ロレタリア文学運動を未曾有に混乱させると同時に、他の一方ではプロレタリア文学運動のそのような混乱を目撃することによってますます自身の生きる現在の社会の紛糾に圧され、懐疑的になり、無気力に陥った小市民的インテリゲンチアの気分が、ブルジョア文学・・・ 宮本百合子 「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」
・・・夏目漱石なんかは『三四郎』やその他の小説の中で明治時代のインテリゲンチアの女のあるタイプを書いていると思うし、現代の作家では谷崎さんも女はさまざまの型で書いていますネ。しかしどうもネ、女の作家の気持からいうとネ、まだまだ充分満足するように書・・・ 宮本百合子 「不満と希望」
・・・更に進んでよしんば、自身の弱点のすべてを、インテリゲンチアの小市民性によるものと結論し糺弾したとしても、現実の本質はつかまれたという感じを、私たちに与えないであろうと思う。 私たちの切に知りたいのは、性格にそのような動揺する暗さ明るさを・・・ 宮本百合子 「冬を越す蕾」
・・・彼はその能動性によってインテリゲンチアの生活から勤労階級に移行して来た階級人であり、将来の発展性をもその点にしっかりと持っている作家であると信じて誤りはないと思う。 しかしながら、一方彼にはその出生や成長した環境及び遭遇した青年期におけ・・・ 宮本百合子 「文学における古いもの・新しいもの」
・・・有閑なブルジョア・インテリゲンチアらしく脳みそは一秒間にどれだけ沢山のものを連想し得るかを暇にまかせて追求し主観の転廻のうちに実現と美を構成しようとしたのが「水晶幻想」であった。 現実逃避の文学 ・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・マルキシズムの立場で書かれているわけなのだろうが、敗北主義で、政治と文学との見解は、ブルジョア・インテリゲンチアの宿痾、二元論だ。 しかし、言及されているプロレタリア文学の取材、様式の固定化という批判は、そのままとりあげよう。 けれ・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・ 暴圧の嵐はプロレタリアート・農民・インテリゲンチアの解放に向って燃える焔を消し得ないばかりか、ますます強固な鉄の団結を教える尊い証拠です。 私をついに釈放した官憲は、出てから後、私と大衆とを切りはなし、私の積極性を奪おうとして、いろい・・・ 宮本百合子 「ますます確りやりましょう」
出典:青空文庫