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・・・はつまりあらゆる言語を煎じ詰めたエキスであると云われる。 道具を使うという事が、人間以外にもあるという人がある。蜘蛛が網を張ったり、ある種の土蜂が小石をもって地面をつき堅めるのがそれだという。しかしそれは智恵でするのではなくて本能である・・・
寺田寅彦
「言語と道具」
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・・・アフォリズムとは、だれも知る如くエッセイの一層簡潔に、一層また含蓄深くエキスされた文学である。したがつてそれは最も暗示に富んだ文学で、言葉と言葉、行と行との間に、多くの思ひ入れ深き省略を隠して居る。即ち言へば、アフォリズムはそれ自ら「詩」の・・・
萩原朔太郎
「ニイチェに就いての雑感」