・・・手拭を姉さんかぶりにした若い農婦が、マンノーをとって争議に参加するばかりでない。女工さんの自主的なストライキが勇敢に闘われるばかりではない。今や、プロレタリアート・農民の婦人は出産の床の中に、八百屋で買う一本の葱の中にまで、自身の熱い階級闘・・・ 宮本百合子 「国際無産婦人デーに際して」
一般に日本の人が、イエスとノーとをはっきり使いわけないということについては、度々、いろいろの人がいろいろの角度から関心を向けて来た。一つのことについて意見を求められたとき、それを肯定してハイそうです、というか、あるいは否定・・・ 宮本百合子 「今年のことば」
・・・その批評は幾人かの人々が知識人として今日の社会に対している良心のあらわれであるのだけれど、その半面では、モーロアの本質がつまりダラディエやレイノーとそう大して違ったものでもないこと、それだからこそ現象の説明は皮相な政界内幕の域を脱し得ていな・・・ 宮本百合子 「今日の作家と読者」
・・・モーロアは、フランスの敗因をいくつかあげて、その一つの重要なものとして、ダラディエとレイノーの私的な憎悪や醜聞を面白可笑しく喋っている。空々しく、イギリスの政治家は潔白な生活をしているなどと云っているけれども、そして、フランスの防衛の準備が・・・ 宮本百合子 「今日の生活と文化の問題」
・・・ In society, she played the most pitiable role. Everybody knew her, and nobody paid her any attention. She was ver・・・ 宮本百合子 「一九二五年より一九二七年一月まで」
・・・「世界中で一番弱い民族だ」と云う。八重「貴女、私たちの人の愧しいところを御覧になったのだから、必要以外のことは黙って居て下さいね」「No, I can't 漠大な費用を出して貰って来て居るのだから、私の見たところ、皆云わずには居・・・ 宮本百合子 「一九二五年より一九二七年一月まで」
・・・アジアにおいて、限りない権限をゆだねられている一人の老将軍が、朝鮮の戦線に原子兵器を使用するかしないかを決定するという世紀の絶壁に立たされたとき、彼にノーと言わせる支柱となり、彼を彼の属す国家の人民からさえも世紀の戦争犯罪人とされることから・・・ 宮本百合子 「戦争はわたしたちからすべてを奪う」
・・・それで、勝手にどっかへ出かけてノーノー一ヵ月休んで来るという仕組みだ。 夏になると、ロシアじゅうのステーションと列車とは、この休暇連中で埋まっちまう。「君はどこまで行くのかね?」「俺はコーカサスの『休みの家』だ。――お前は?」・・・ 宮本百合子 「ソヴェト労働者の夏休み」
・・・詩人ジョン・キーツはこの生活を憧憬して歌う、No, the bugle sounds no more,And twanging bow no more ;Silent is the irony shrillPast ・・・ 和辻哲郎 「霊的本能主義」
・・・詩人ジョン・キーツはこの生活を憧憬して歌う、No, the bugle sounds no more,And twanging bow no more ;Silent is the irony shrillPast ・・・ 和辻哲郎 「霊的本能主義」
出典:青空文庫