・・・「彼女はかかる同盟拡大強化の反対者であり、反ファッショ的闘争を現実に弱めるものである」と断定している点にふれよう。同志神近も、「作家同盟の目的は何であるか? 作家同盟は前衛の団体であったか、同伴者の組織であったか?」と云っている。 われ・・・ 宮本百合子 「前進のために」
・・・民主主義の潮流に逆行する現在のファッショ的存在は、全世界の民主主義を愛する人により徹底的に糺弾され断罪されるときがくるだろうということを私はいいたい。日本の検察当局が事実正義を愛する者の味方であるならば、この陰謀の一つであるこの公訴を即刻と・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・ブルジョアジーがファッショ化すれば、ブルジョア作家はファッショ化する。この関係は切っても切れるものではない。然も、ブルジョア作家のファッショ化は決して簡単な形では現れていない。彼等の主人、ブルジョアジーの戦略戦術が千変万化であるように、ブル・・・ 宮本百合子 「ブルジョア作家のファッショ化に就て」
・・・ 帝国主義のファッショ化につれて、このブルジョア文学中へ国際的らしい主題をもちこむ異国趣味は、直に民族主義の武器としてつかわれるものだ。なぜなら、支配権力がヤイヤイいう民族主義の目的は、結局において日本人は日本人! 中国人は中国人だ! ・・・ 宮本百合子 「プロレタリア文学における国際的主題について」
・・・直木三十五、吉川英治らが明治維新を「王政復古の名によって描き出し、帝国主義段階の今日において大衆のファッショ化を積極的に強化しようとはかっている。」この現実の闘争におけるモメントこそわれわれプロレタリア作家に正しい歴史小説を書くべき任務を負・・・ 宮本百合子 「文学に関する感想」
・・・ 特に一九三一年の後半期は、ブルジョア独裁がブルジョア文化の全機能をひきいてはっきりとファッショ化した点で、日本の歴史的モメントであった。 支配階級とともに急速にファッショ化したのは、大衆作家直木三十五や三上於菟吉ばかりではない。川・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・のうちに組織の名称を第二「文戦」打倒同盟と変えた。彼らは、日本の階級闘争の現実とハリコフ会議で行われた国際的批判とによって、いわゆる「文戦派」のファッショ化が、どんな階級的裏切りであるか、自己瞞着しきれなくなって来た。「ナップ」の守って来た・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・および反帝国主義戦争の投書に外聞を忘れた露骨さで集注されている例でも、ファッショ化した支配階級が何を恐怖しているか明らかではありませんか。 八十日の間、私と同志たちとの連絡は全く断たれ、留置場の外の様子はちっともしれない。作家同盟の後藤・・・ 宮本百合子 「ますます確りやりましょう」
・・・ブルジョア・地主の政府が資本主義経済の行きづまりから死物狂いにファッショ化して来ている現在の日本で、プロレタリアの唯一の文化的武器である、プロレタリア出版物を支持し、その配布組織を敵から守って拡大強化してゆくことはわれわれに課せられて決して・・・ 宮本百合子 「「我らの誌上相談」」
出典:青空文庫