金融機関から経済全体に供給されている通貨の総量(マネーストック)を示す統計。一般企業・個人・地方公共団体・地方公営企業など、金融機関や中央政府を除く経済主体が保有する通貨量の残高を集計したもの。日本銀行が月次集計し、対象月の翌月に速報を、翌々月に確報を公表している。
[補説]郵政民営化や金融商品の多様化などによる
環境の変化に
対応するため、日本銀行は
従来の「
マネーサプライ統計」を見直し、集計対象や
指標の
定義を
改定。
平成20年(2008)6月から
名称を「マネーストック
統計」に
変更し、「
M1」「
M2」「
M3」「
広義流動性」の4
種類の
指標を
公表している。代表的な
指標はM3。一般論として、マネーストックと景気動向には相関関係があるとされ、
日銀が
金融調節の判断材料として
利用している(マネーストックが
増加し
インフレが懸念される
場合は
政策金利を引き上げ、マネーストックが
減少し景気後退が懸念される
場合は政策金利を引き下げる)。
以前のマネーサプライ
統計では「M1」「
M2+CD」「M3+CD」「広義流動性」の4
種類の
指標が
使用され、M2+CDが代表的な
指標とされていた。旧M2+CDは新M2にほぼ
対応するが、新しいマネーストック
統計では、民営化された
ゆうちょ銀行の他、
農業協同組合・
信用組合などが
発行する金融商品まで含めたM3が代表的な
指標となっている。証券会社・
短資会社および非居住者の保有通貨は集計対象から
除外された。集計対象が最も広い広義流動性では、
少数の投資家を
対象とする
私募投資信託や
銀行が
発行する
普通社債なども集計対象に加えられている。