いっちょう-いっし【一張一弛】
弦を強く張ったり、ゆるめたりすること。転じて、人に厳しく接したり、やさしく接したりすること。政治家・上司、また教育者の心得で、時には厳格に、時には寛大に程よく人に接するべきことをいう。また、現在では取引所の用語として、相場が小幅に高下を繰り返すこと。▽「一弛一張いっしいっちょう」ともいう。
- 出典
- 『礼記らいき』雑記ざっき下
- 用例
- しかれども一たび活眼を開て大観すれば、一張一弛は人道の常にして、<中江兆民・一年有半>
- 類語
- 緩急自在かんきゅうじざい
- 故事
- 聖天子といわれる周の文王や武王が政治を行うのに、人民に、時には厳格に接し、時には寛大に接して心を緩やかにさせ、程よく人民に接して太平をもたらした故事から。