いちだく-せんきん【一諾千金】
信義が厚く、裏切ることのないたとえ。また、約束を重んじなければならないたとえ。いったん承諾したら、それは千金にも値するほどの重みがあるということ。▽「一諾」はひとたび承知して引き受けること。
- 出典
- 『史記しき』季布伝きふでん。「楚人の諺ことわざに曰いわく、黄金百斤ひゃっきんを得うるは、季布の一諾を得るに如しかず、と」
- 句例
- 一諾千金の男、一諾千金の重み
- 用例
- あれらは一本気だと共に、常に一諾千金のところがあるもんで、そこにはもう御都合も、理屈もない社会なのですよ。<子母沢寛・勝海舟>
- 類語
- 季布一諾きふのいちだく 千金之諾せんきんのだく
- 対義語
- 軽諾寡信けいだくかしん
- 故事
- 中国楚その季布きふはもと項羽の傘下で漢の劉邦りゅうほうを苦しめたが、信義厚い任侠にんきょうとして知られ、いったん承知し引き受けたことは確実に実行し、楚の人々から黄金百斤を得るより、季布の一度の承諾を得るほうが価値があるといわれた故事から。