[動サ五(四)]
1 上から下に移動させる。
2 掲げたものを取り外す。「旗を―・す」「看板を―・す」
3
㋐乗り物などから外へ出す。「駅前で客を―・す」「積み荷を―・す」
㋑(「堕ろす」とも書く)体外へ出す。堕胎する。「子を―・す」
4 神仏・貴人・客などに供した物を下げる。また、お下がりをもらう。「膳を―・す」「供物 (くもつ) を―・す」
5 生えているものを切ったり、そったりして落とす。「枝を―・す」「髪を―・す」
6 役職・地位を下げたり、辞めさせたりする。「主役を―・される」
7 深部へしっかりと伸ばす。「木が根を―・す」
8
㋐料理のために魚・獣の肉を切り分ける。「アジを三枚に―・す」
㋑(「卸す」とも書く)下ろし金ですり砕く。「わさびを―・す」
9 納めてある物や、あらかじめ作ってある物を取り出す。
㋐引き出す。「貯金を―・す」
㋑衣類・道具などの、新品を初めて使う。「新調の服を―・す」
㋒別の用途に当てる。「古タオルを雑巾に―・す」
10 扉をしめる。かぎをかける。とざす。「鎧戸 (よろいど) を―・す」
11 製版・印刷に回す。下版する。
12 神降ろしをする。
「この類の小さな神を招き―・す方式となっていたものであろう」〈柳田・山の人生〉
13 貴人の前から退出させる。
「みな下屋 (しもや) に―・しはべりぬるを」〈源・帚木〉
14 悪く言う。けなす。
「ここにても、また―・しののしる者どもありて」〈源・少女〉
15 高い所から風が吹く。吹き下ろす。
「三室山 (みむろやま) ―・す嵐の寂しきに妻よぶ鹿の声たぐふなり」〈千載・秋下〉
出典:青空文庫
・・・又 打ち下ろすハンマアのリズムを聞け。あのリズムの存する限り、芸術・・・ 芥川竜之介「侏儒の言葉」
・・・せながら、高縁に腰を下ろすと疲れが急に出たような様子でこう言った。・・・ 有島武郎「親子」
・・・扶け下ろすに、髪を解けば、ねばねばとして膠らしきが着きたりという。・・・ 泉鏡花「遠野の奇聞」