世が世ならば
その人に都合のよい時代であったならば。「—こんな家に住んでいなかった」
世下る
1 後世になる。「—・りて後、唐土 (もろこし) にも日の本にも」〈増鏡・新島守〉 2 末世 (まっせ) になる。「今は—・りて、他の一寸のゆがみはとがめて、おのれが一尺のひがみは見えず」〈父の終焉日記〉
世と推し移る
《「楚辞」漁父から》時勢に逆らわずに進む。物事にこだわらない生き方をいう。
世と共
常日ごろ。明けても暮れても、いつも。始終。「—に、恋ひわたる人の形見にも」〈源・手習〉
世に合う
時勢にうまく乗って栄える。世に用いられる。時めく。「—・わない不遇な一生」
世に在り
1 この世に生きている。生存している。また、この世に生き長らえる。「—・るまじき心地のしければ」〈竹取〉 2 世間に認められる。「—・る僧どもの」〈宇治拾遺・一五〉
世に入れられる
世の人々から受け入れられる。世間から認められる。「新学説が—◦られる」
世に聞こえる
世間の評判になる。「—・えた作家」
世に従う
世間の大勢・風潮・習わしに従う。「—・はん人は、先づ機嫌を知るべし」〈徒然・一五五〉
世に知らず
ちょっと例がない。たとえようがない。普通ではない。「(経文ヲ)ゆるるかによみ給へる、また—◦ず聞こゆ」〈源・須磨〉