世に知られる
世間の多くの人に知られる。有名になる。「その音域の広さで—◦れた声楽家」
世に立つ
世に出て一人前となる。また、世に出て相当の地位に立つ。「建築家として—・つ」
世に連れる
世の中の流れや動きとともに変わる。
世に出る
1 世の中に出現する。初めておおやけになる。「処女作が—◦出る」 2 世の中に知られる。出世する。「新星のように—◦出る」
世に問う
世間に発表してその評価を求める。「作品を—・う」
世に無し
1 この世に存在しない。死んでこの世にない。「故按察大納言は、—・くて久しくなり侍りぬれば」〈源・若紫〉 2 世の中に二つとない。比べるものがないほどすぐれている。「—・く清らなる、玉のをのこ御子さへ生まれ給ひぬ」〈源・桐壺〉 3 世の中に認められない。世間で栄えていない。身分が低い。「—・きものを思ひそめて」〈平家・一〇〉 4 世間に出ない。身を隠している。「妹背 (いもせ) の情けこまやかに—・き景清をいとほしみ」〈浄・出世景清〉
世に似ず
世間に比べるものがない。世に類がない。「かぐや姫、かたちの—◦ずめでたきことを」〈竹取〉
世に経
1 この世に生き長らえる。「花の色はうつりにけりないたづらに我が身—◦経るながめせしまに」〈古今・春下〉 2 出家の身ではなく、俗人として暮らす。「わが身も—◦ふる様ならず、跡絶えて止みなばや」〈源・若菜下〉 3 男女の情を解する。「ねになけば人笑へなりくれ竹の—◦へぬをだにかちぬと思はむ」〈後撰・恋五〉
世に旧る
1 世の中に長くあって古びる。世間で珍しくなくなる。「御前に雪の山つくられたりし、—・りたる事なれど」〈源・朝顔〉 2 結婚歴がある。「ただ人、はたあやしき女、—・りたるなど」〈源・蜻蛉〉
世は張り物
《「張り物」は、外見だけで中身のないもの》世の中は、見栄を張ってわたるのが普通である。世間は張り物。