体内に微量元素として存在する亜鉛が不足することで起こる病気。皮膚炎、口内炎、脱毛、下痢、発育障害、性腺機能不全、味覚・嗅覚障害、免疫機能の低下などの症状が現れる。亜鉛を多く含む食品を積極的に摂取する食事療法が行われ、改善しない場合は薬剤による補充療法が行われる。
[補説]亜鉛は生体内で、さまざまな
酵素の構成要素として、また
DNAや
たんぱく質などの
合成にも
重要な
役割を果たす。偏った食生活による摂取不足のほか、消化器疾患や腎機能障害、食物繊維の過剰摂取による吸収不全、
妊娠・授乳中の必要量の
増加、
多量の
発汗や他の
疾患、治療薬の
作用による過剰排泄などが
原因。一方、
サプリメント等で
亜鉛を
過剰に摂取すると、鉄や銅の
吸収が
阻害され、
貧血、免疫機能の
低下、
HDLコレステロールの
減少などの
障害が現れることがある。