・・・農家にふさわしくない金ぴかの大仏壇が納められていた。七十歳だった老人は白髯をしごきながら炉ばたで三人の息子と気むずかしく家事上の話をして、大きい音をたてて煙管をはたき、せきばらいしながら仏壇の前へ来ると、そこに畳んである肩衣をちょいとはおっ・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)」
向島の堤をおりた黒い門の家に母方の祖母が棲んでいて、小さい頃泊りに行くと、先ず第一に御仏壇にお辞儀をさせられた。それから百花園へ行ったり牛御前へ行ったりするのだが、時には祖母が、気をつけるんだよ、段々をよく見て、と云って二・・・ 宮本百合子 「祖父の書斎」
・・・自宅の仏壇に犬養毅の写真が飾ってあり、毎月回向をかかさないそうです。そして、今の民主党の中心的活動家である犬養健に対面する日を楽しみにしているそうです。その山岸敬明が経営しているのが深川新大橋にある互幸輪タク会社です。この輪タクは「宮様輪タ・・・ 宮本百合子 「ファシズムは生きている」
出典:青空文庫