・・・特務曹長「軍法会議だ。それから銃殺にきまっている。」間、兵卒一同再び倒る。曹長(面「上官。私は決心いたしました。この饑餓陣営の中に於きましては最早私共の運命は定まってあります。戦争の為にでなく飢餓の為に全滅するばかりであります。かの・・・ 宮沢賢治 「饑餓陣営」
・・・なんだ、ええと、新任ねずみ会議員テ氏。エヘン、エヘン。エン。エッヘン。ヴェイヴェイ。なんだちくしょう。テなどがねずみ会議員だなんて。えい、おもしろくない。おれでもすればいいんだ。えい。おもしろくもない、散歩に出よう。」 そこでクねずみは・・・ 宮沢賢治 「クねずみ」
・・・ 平右衛門は今年の春村会議員になりました。それですから今夜はそのお祝いで親類はみな呼ばれました。 もうみんな大よろこび、ワッハハ、アッハハ、よう、おらおととい町さ行ったら魚屋の店で章魚といかとが立ちあがって喧嘩した、ワッハハ、アッハ・・・ 宮沢賢治 「とっこべとら子」
・・・こいつが我輩、名誉ある県会議員を侮辱した。だから我輩はこいつへ決闘を申し込んだのだ。」「いや、貴さまがおれの悪口を言ったのだ。おれはきさまに決闘を申し込むのだ、全体きさまはさっきから見ていると、さもきさま一人の野原のように威張り返ってい・・・ 宮沢賢治 「ポラーノの広場」
・・・ビルマでは一九四六年に全ビルマ婦人会議が組織されました。ここには四万人の婦人たちが参加しています。印度では一九四六年に、民族解放のゲリラ隊によってテレンガン地方の五百万人の人口をふくむ二千五百の村々が解放され、はじめて民主的な人民の生活とは・・・ 宮本百合子 「新しいアジアのために」
・・・の問題は、文学作品の形をとっていたから、文学者たちの注目を集め、批判をうけましたが、ひきつづきいくつかの形で二・二六実記が出て来たし、丹羽文雄の最後の御前会議のルポルタージュ、その他いわゆる「秘史」が続々登場しはじめました。なにしろあの当時・・・ 宮本百合子 「新しい抵抗について」
・・・と進歩党をのぞく四党代表者会議の決定が首相に示された。その席上で幣原首相は、私も自分の利益のために粘っているのではない、国を憂えることは諸君と同じだが、方法が違う、と意見を披瀝しはじめたら、傍から楢橋書記翰長が、なお言をつごうとする首相に「・・・ 宮本百合子 「一票の教訓」
・・・生きて強壮な人々は、平和のための会議を何故風光明媚なジェネの湖畔でだけ開くのであろう。 やがてそろそろ薄闇の這いよって来た砲台の裏からまわって、傍のいら草の中に錆びた空罐などの散っている急な小径を下って来た。すると、今朝の霜でゆるんだま・・・ 宮本百合子 「女靴の跡」
・・・殊にそのため部下の諸将と争わなければならなかったこの夜の会議の終局を思うと、彼は腹立たしい淋しさの中で次第にルイザが不快に重苦しくなって来た。そうして、彼の胸底からは古いジョセフィヌの愛がちらちらと光を上げた。彼はこの夜、そのまま皇后ルイザ・・・ 横光利一 「ナポレオンと田虫」
・・・栖方は黄楊の葉の隙から見える後のその室を指して、「あれは少将以上の食堂ですが、何か会議があるらしいですよ。」と説明した。大きな建物全体の中でその一室だけ煌煌と明るかった。爽やかな白いテーブルクロスの間を白い夏服の将官たちが入口から流れ込・・・ 横光利一 「微笑」
出典:青空文庫