さのげんざえもんのじょうつねよ【佐野源左衛門尉常世】
鎌倉時代の武士。上野 (こうずけ) の人。謡曲「鉢木 (はちのき) 」の主人公。生没年未詳。→鉢木
さのじろうざえもん【佐野次郎左衛門】
江戸中期の下野 (しもつけ) 佐野の農民。享保(1716〜1736)のころ、江戸吉原の遊女八橋 (やつはし) を恨み、八橋ほか多くの人を斬った。この事件は吉原百人斬りといわれ、歌舞伎化された。特に「籠釣瓶花街酔醒 (かごつるべさとのえいざめ) 」が有名。
さのしんいち【佐野真一】
[1947〜2022]ノンフィクション作家。東京の生まれ。民俗学者宮本常一と渋沢敬三の交流を描いた「旅する巨人」で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。他に、新聞の三行広告を題材にした「紙の中の黙示録」、出版不況の現状を分析した「だれが『本』を殺すのか」など。
さのつねたみ【佐野常民】
[1823〜1902]政治家・社会事業家。佐賀の生まれ。西南戦争に際し、博愛社を創立、のち日本赤十字社と改称し初代社長となる。元老院議長・枢密顧問官などを歴任。
さのとしかた【佐野利器】
[1880〜1956]建築学者。山形の生まれ。耐震構造理論を体系化し、建築構造学の基礎を築いた。日本最初の鉄骨構造建築の日本橋丸善書店を設計。
さのまなぶ【佐野学】
[1892〜1953]社会運動家・歴史学者。大分の生まれ。日本共産党中央執行委員長、次いでコミンテルン常任執行委員。昭和4年(1929)の四・一六事件で入獄し、獄中で転向を声明。第二次大戦後は反共運動を展開した。著「ロシア経済史」「唯物史観批判」など。
さのよう【佐野洋】
[1928〜2013]推理作家。東京の生まれ。本名、丸山一郎。読売新聞社勤務のかたわら小説を執筆。「一本の鉛」を発表した後は作家生活に専念。「華麗なる醜聞」で日本推理作家協会賞受賞。他に「透明受胎」「轢 (ひ) き逃げ」「禁じられた手綱」など。平成10年(1998)功績により第1回日本ミステリー文学大賞受賞。
さのようこ【佐野洋子】
[1938〜2010]絵本作家。中国の生まれ。独特なタッチと色彩感覚を駆使して多くの絵本を手がける。特に「100万回生きたねこ」は世代をこえてロングセラーとなった。他に「わたしのぼうし」「おじさんのかさ」、エッセー「神も仏もありませぬ」など。