・・・ まあそういうこともあるだろう、けれども、それは行列に立った労働者たちが自発的にやるメーデーの余興ではないのだ。反動団が暴れ込んでデモをぶちこわそうとすることから起る。それを、社会主義にかこつける。ピルスーヅスキーの手腕も馬鹿にはできな・・・ 宮本百合子 「ワルシャワのメーデー」
・・・そんなに遅くもなるまいよ。余興も一席だから」「余興は何を遣るのだ」「見給え。あそこに貼り出してある。畑閣下が幹事だからね」 こう云って置いて、三枝は元の席に返ってしまった。 私は始て気が附いて、承塵に貼り出してある余興の目録・・・ 森鴎外 「余興」
・・・事件の判決が済むと、余興をでもやらせるような調子で彼が呼び出される。君は珍しい話を知っているそうだが、一つその新しい宗教というのを説明してもらいたい。 パウロは山頂の石壇に上り、アクロポリスの諸殿堂と相対して立った。――アテネの市民諸君・・・ 和辻哲郎 「『偶像再興』序言」
出典:青空文庫