[連語]《かしこまった気持ちでいるの意の
動詞「
はべり」+尊敬の意の補助動詞「
たまふ」》尊者に対する
会話で、話し手が
敬意を払う
必要のある人の
動作に用い、動作主を敬うとともに、その動作主の「いる」「…している」
状態を、より
上位の聞き手に対し「はべり」を用いて丁重慇懃 (いんぎん) に表す。おりなさる。…しておりなさる。
- 「今となりては、心苦しき女子どもの御上をえ思ひ捨てぬとなむ、嘆き—・ふ」〈源・橋姫〉
[補説]平安前期・
中期ごろ用いられた特殊表現で、主として
男性の堅苦しい慣用語かと思われる。他に「はべりたうぶ」「はべりたぶ」の形のものもあるが、全部合わせても
用例はいたって少ない。
- 「おほし垣本 (かいもと) あるじ、甚だ非常 (ひざう) にはべりたうぶ」〈源・少女〉
「かのきみ…
孔雀 (くざく) あうむ鳴かぬばかりにてなむ住みはべりたぶ」〈
宇津保・吹上上〉