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・・・バイブルに、男女は差別ある賃銀を、と書いてはなかろうが、カソリック教徒である日本の文相は、それらを教員たちとの係争点にしている。あらゆる市民が半封建的なものからの離脱を努力しているとき、文学もブルジョア民主主義的立場からの面をもたないわけに・・・
宮本百合子
「作家の経験」
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・・・文学・思想の問題をはさんで行われる権力と人間性の係争では、権力がつねに勝利において敗北して来た。だからこそ、伊藤整が信念をもって述べているとおり、人類の進歩がなりたって来たのだった。 これらの人間として当然な理性の主張は、「外界と人間の・・・
宮本百合子
「人間性・政治・文学(1)」