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・・・かかる人物を政府の区域中に入れて、その不慣なる衣冠をもって束縛するよりも、等しく銭をあたうるならば、これを俗務外に安置して、その生計を豊にし、その精神を安からしむるに若かず。元老院中二、三の学者あるも、その議事これがために色を添うるに非ず。・・・
福沢諭吉
「学問の独立」
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・・・官員にて中小学校にかかわる者は、俗務の傍に、あるいは自己の志をもって教授を兼ぬる者多し。総員二十名を出でず。等級によりて月給同じからず。多きは七十両、少なきは十五両乃至二十両、平均一人につき二十五両に過ぎず。二十人にて一月五百両なり。官の費・・・
福沢諭吉
「京都学校の記」