せんけんてきいしき【先験的意識】
《(ドイツ)transzendentales Bewußtsein》 1 カント哲学で、意識一般のこと。 2 フッサールの現象学で、自然的態度に判断中止を行ったのちに残存する純粋意識。超越論的意識。
せんけんてきかんねんろん【先験的観念論】
カント哲学で、その認識論の立場。認識をすべて主観の所産とする経験的観念論に対して、空間に認識される事物の実在性を疑いはしないが、それは物自体ではなくて現象であり、人間の認識主観の先天的な直観形式である時間・空間と、先天的な思惟 (しい) 形式である範疇 (はんちゅう) とによって整理構成されたところに生じるものとする。批判的観念論。超越論的観念論。
出典:青空文庫
・・・価値もそのものとして先験的に存在するのである。財から抽象されたもの・・・ 倉田百三「学生と教養」
・・・ない宇宙的な、いいえ先験的なヌウメンです。どんな素晴らしいフェノメ・・・ 太宰治「古典風」
・・・ひどくちがって特別に先験的に憎むべく、いやしむべき素質を具備してい・・・ 寺田寅彦「蛆の効用」