・・・ゆうべ、花束をもって国会を訪問した全逓の婦人たちの話が放送された。公務員法案に賛成の議員はこのつぎに選挙しないため、目じるしの花を非賛成の側にある議員の胸のボタンにつけるためであった。日本でも、ボタン・ホールの花が、働く人民の意志の表示につ・・・ 宮本百合子 「新しい潮」
・・・最も退嬰的であると考えられていた教員、全逓・官公庁の職員も婦人をこめて今は前線に進んでいます。農民組合は日本全国にわたって供出の合理化と公正な農地調整法の実現のために闘っており、日本でははじめて全国的な農民組合婦人部の大会が近々にもたれよう・・・ 宮本百合子 「国際民婦連へのメッセージ」
・・・丁度吉田内閣で首切られた全逓のどんな組合員でも、自分がどういう政府によって生活を奪われたかと云う事、そしてそれに対する抗議さえも奪われたと云う事に対して忘れる人がない様に…… 中国が人民共和国になったという事はアジアの婦人達みんなにとっ・・・ 宮本百合子 「今年こそは」
・・・の間から野間宏、椎名麟三、中村真一郎氏その他の作家が注目すべき創作活動を行ったこと、勤労大衆の文化的活動がさかんになってきて文学サークル協議会が確立し、『文学サークル』という雑誌が出るようになったし、全逓新聞の応募小説になかなか優秀なものが・・・ 宮本百合子 「一九四七・八年の文壇」
・・・その他労働者によってかかれる作品がでてきたし、全逓の文学コンクール、国鉄の集団的文学活動など新しい民主的文学の芽がもえだした。けれどもその半面では、ドストイェフスキーばりの椎名麟三の作品が流行しはじめ、また新日本文学会と同時に活動をはじめた・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・ 一九四五年の冬から活溌におこった労働組合の活動と労働者階級の文化活動は、支離滅裂に流れてゆく商業的な文学の空気を貫いて文学サークルを生み出し、全逓従業員の文学作品集『檻の中』、国鉄の詩人たちの詩集、自立劇団の誕生につれて続々あらわれた・・・ 宮本百合子 「婦人作家」
・・・ 結婚の自由と民法がいっても、現実に住居のないこと、月給の少いこと、戦争によって多くの家庭は新しい扶養者をもたざるを得なくなっていることなどで、自由な結婚はなかなか出来ない。全逓の従業員組合は、十数万の結婚適齢従業員のために、結婚資金を・・・ 宮本百合子 「離婚について」
出典:青空文庫