・・・ただ、お前のその骨に内攻した梅毒がそれ以上進行しないってことになれば、まだまだ大丈夫だ。 お前の手、腕、はますます鍛われて来た。お前の足は素晴らしいもんだ。お前の逞しい胸、牛でさえ引き裂く、その広い肩、その外観によって、内部にあるお前自・・・ 葉山嘉樹 「牢獄の半日」
・・・一、馬から落ちたところが打身内攻し足が引つれ、苦しむ。一、六年間床についたきり。一、恢復して伝道、〔欄外に〕Leading passion for Utari. 周囲の人 母 好人物 ドメステ・・・ 宮本百合子 「一九二五年より一九二七年一月まで」
・・・封建時代の日本人がその社会生活から慣習づけられていた感情抑制の必要、美の内攻性及び日本の建築、家具什器の材料に木、紙、竹、土類を主要品とした過去の日本の風土的特徴等が、「さび」を語った場合とりあげられなければならないであろう。 仏教の思・・・ 宮本百合子 「文学上の復古的提唱に対して」
・・・そして、その相剋を積極的な主張的なものとして出す力も社会的習慣をも持たない女が内攻的になり、嘘をつくようになり、本心を披瀝しないものとなって、ただ男を社会経済生活に必要なものとだけ見てゆくようになる、その卑俗性がまた男に反射して摩擦を激しく・・・ 宮本百合子 「若き世代への恋愛論」
出典:青空文庫