[名]《「目 (ま) 方 (へ) 」の意》
  1. 普通状態で顔または視線の向いている方向。おもて。前方。「まっすぐ—を向く」⇔後ろ

  1. 他人のいるところ。面前。「子供の—でそんなことは話すな」

  1. 建物などの正面。表の方。「駅の—の大通り」「像の—で記念写真をとる」⇔後ろ

  1. その事柄に対した時の状況。「新企画の—に立ちはだかる難問」「厳格規則の—には手も足も出なかった」

  1. 連続するものの初めの部分。さき。「行列の—を歩く」「—から八番目の席につく」⇔後ろ

    1. ㋐ある時点より前。「三〇分ほど—に電話があった」

    2. 以前。むかし。「—に会ったことがある」「—のことを持ち出す」

  1. 順序の先のほう。「—からの約束」「—のページ」

  1. 身体の正面の部分。また、陰部。「—をはだける」「—を隠す」

  1. 前歴。特に、前科。「—がある」

  1. 10 正面の庭。前庭。

    1. 「ひとりしていかにせましとわびつればそよとも—の荻ぞこたふる」〈大和・一四八〉

  1. 11 神の御身。神を直接指すのを避けて付ける語。

    1. 「能く我が—を治めば」〈・上〉

  1. 12 神・貴人を敬っていう語。

    1. 「御—にも、えさはあらじとおぼしめしたり」〈・八七〉

  1. 13前神」の略。

    1. 「社一百九十八所…—一百六座」〈延喜式・四時祭上〉

  1. 14 連歌・俳諧で、前句のこと。

    1. 「この—出でて、座中暫 (しばら) く付けあぐみたり」〈去来抄・先師評〉

  1. 15 女性の名の下に付いて、尊敬の意を表す。

    1. 千手 (せんじゅ) の—」〈平家・一〇〉

[接尾]
  1. 名詞や動詞の連用形などに付いて、それに相当する分量部分などを表す。「五人—」「分け—」

  1. 名詞に付いて、その属性機能などを強調する意を表す。「男—」「腕—」

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