[補説]国立感染症研究所は
WHOの
指針に基づいて実験室で取り扱う病原体等を四つのリスク群に
分類している。このうち、危険病原体は、リスク群3(
拡散する可能性が低く
有効な
治療・予防法があるもの)と4(
拡散する可能性があり、
有効な
治療・予防法がないもの)。最も危険度が高い4の病原体には、
天然痘ウイルス・
エボラウイルス・
ラッサウイルス・
マールブルグウイルスなどが含まれ、実験室にはエアロックやシャワー、
高度な滅菌装置や吸排気フィルターなど病原体を封じ込める
設備が
必要とされる。国内には
BSL-4(生物危険度4)に
相当する
施設があるが、周辺住民の
合意が得られず、
稼働していない。国内で
新興感染症や
生物テロなどが
発生した
場合、病原体の
同定・確定診断・
治療に遅れが出ることが懸念されている。