・・・ 会長ペック氏はこの時にあたり、我ら十七名の会員にこは心霊学協会の臨時調査会にして合評会にあらざるを注意したり。 問 心霊諸君の生活は如何? 答 諸君の生活と異なることなし。 問 しからば君は君自身の自殺せしを後悔するや?・・・ 芥川竜之介 「河童」
・・・想天外にはまた捨てがたいところもあるのだから、楽しく読めることもあるけれど、あの、深刻そうな、人間味を持たせるとかいって、楠木正成が、むやみ矢鱈に、淋しい、と言ったり、御前会議が、まるでもう同人雑誌の合評会の如く、ただ、わあわあ騒いで怨んだ・・・ 太宰治 「鉄面皮」
・・・けれどもこの間契月、未醒、清方、霊華などの合評を読んだら、フム、と感じるところもあった。 Sさんが帰ると、Y、急に九品仏に行こうといい出した。この間N氏が家族づれで行ってなかなか道の心持がよかったというところだ。三井の横を抜け、竹藪を抜・・・ 宮本百合子 「金色の秋の暮」
鴎外全集 第二巻 雲中語 を読む。 第一感じること。これは、明治三十年、新小説、文芸倶楽部などに発表された小説を、鴎外、露伴、緑雨、紅葉、思軒などがよって合評したものだ。現代の新潮合評のようなものか。然し三十年と云えば・・・ 宮本百合子 「無題(五)」
出典:青空文庫