・・・百里遠来同好の友を訪ねて、早く退屈を感じたる予は、余りの手持無沙汰に、袂を探って好きもせぬ巻煙草に火をつけた。菓子か何か持って出てきた岡村は、「近頃君も煙草をやるのか、君は煙草をやらぬ様に思っていた」「ウンやるんじゃない板面なのさ。・・・ 伊藤左千夫 「浜菊」
・・・ 市之進がお国の自殺を見たときの詞は、実に修辞の妙を極めて居るから、少し抜いて同好の士に示してやりたい。曰く「旦、御新造、やれまツ、自、害か、馬ツ、何といふ、いけませんか、療治は、助かりませんかな、やれ、もツ、こんな綺麗な首に、こ、こん・・・ 宮本百合子 「無題(六)」
・・・ 文学の同好会のような集りへ、工場へ働いている娘さんその他の職場で働いている娘さんが来る。めいめい、何かを求めている心で集っているのだけれど、そういうとき、ごく一般的な文学談を、皆が同じようにやれるということで、現実に安んじない娘さんた・・・ 宮本百合子 「若い娘の倫理」
・・・そういう勉強をしたい若い女性達はこの頃、学校を開いたり、自分達の職場の中で、集会を組織したり音楽や演劇、文学の研究会や同好会をこしらえています。 労働組合というものは、働く人の生活の全面にわたる幸福を、たかめるためにあるのですから、待遇・・・ 宮本百合子 「若人の要求」
出典:青空文庫