・・・健全な結婚ということの実際は、十人の子供を持ったという結果からだけではなくて、その子供たちの父と母とが終生人間としての向上心を失わず、父は旧来の男の習俗におちず妻に対して誠実であるということからも見られて行かなければならないだろう。 そ・・・ 宮本百合子 「結婚論の性格」
・・・ この頃私は人々の向上心というものについて興味ある観察をしていますが、 富雄さんのところを光井へ聞いてやりましたが、そちらでこの次の手紙で教えて頂きたいと思います、古いのしかないから。 来年は島田のお母さんが六十一におなりでしょ・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・何故なら、一般の女のひとたちがその作家や評論家の読者としての関係で今日の世の中にあらわれて来ている動機は、何かの形でその女のひとたちの向上心とつながり、自分としての趣味の主張とつながったものなのであるから。 ある評論家たちは、婦人雑誌で・・・ 宮本百合子 「職業のふしぎ」
・・・然し、紙は青年の向上心のために配給されていない、本屋の儲けのために配給されている。基本的な食糧、賃金、住居の問題から文化の面まで日本ではすっかりやりかえられて人民の幸福のために運営されるようにしなければならない。 こうしてみると、青年の・・・ 宮本百合子 「青年の生きる道」
・・・ 真の向上心は欠け、自らそのことを実行しない、しても渦中にないという丈で、云える批評で、安心するのは低級至極な話だ。わかって居るつもりで、私は自分のきらう口やかましく実力なき批評家の一人になりかけた。どうかしてもっと鋭き wide-aw・・・ 宮本百合子 「一九二三年冬」
・・・ 勿論子供の向上心、好奇心というものを生かし大体子供そのものが連想の早い、空想的なものであるから、そういうものをどういう風に導いて行くかというとこんな風だ。 例えば集団的生活の中で或る困難が起る。子供達が遠足に行ったとする。そうする・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・婦人民主クラブはあらゆる層の婦人がうれしさも努力も向上心も互にわけ合って育ってゆく日本唯一のクラブとして発足しました。 宮本百合子 「婦人民主クラブについて」
出典:青空文庫