ごかの-あもう【呉下阿蒙】
いつまでたっても、全く進歩のないつまらない人のたとえ。また、無学な人のたとえ。呉の蒙さんの意から。▽「呉下」は呉の国の中。呉の地方にいる意。「阿」は相手を親しみを込めて呼ぶのに名前の上につける接頭語。「阿蒙」は蒙さんの意。ここでは中国三国時代呉の孫権そんけんに仕えた呂蒙りょもうのこと。「旧きゅう阿蒙」ともいう。
- 出典
- 『呉志ごし』呂蒙伝りょもうでん注に引く『江表伝こうひょうでん』
- 用例
- 呉下の阿蒙は我のみなるか。<坪内逍遥・内地雑居未来之夢>
- 故事
- 三国時代、呉の呂蒙は若いころ全く無学であったが、主君の孫権の勧めで学問に励んでいた。のちに魯粛ろしゅくが呂蒙と久しぶりに会ったとき、その学問の進歩ぶりに感嘆して「もはや呉にいたころの蒙さんではない」と言った故事から。