命あっての物種
何事も命あってできることで、死んでは何にもならない。
命生く
1 生き長らえる。「年老い衰へたる母、—・きても何にかはせんなれば」〈平家・一〉 2 命を取り留める。危ないところを助かる。「たとひ兼康—・きて、再び平家の御方へ参りたりとも」〈平家・八〉
命から二番目
命の次に大切なもの。非常に大事なもの。
命長ければ恥多し
《「荘子」天地から》長生きすれば、何かにつけ恥をさらすことも多い。
命なりけり
命があったからこそのことである。生きていたからできたことである。「年たけて又越ゆべしと思ひきや—さ夜の中山」〈新古今・羇旅〉
命に替える
自分の命と引き替えにする。何としても守り抜こう、手に入れようとする気持ちをいう。「—・えても譲れない」「—・える宝はなし」
命は義によりて軽し
《「後漢書」朱穆伝から》かけがえのない大切な命も、義のためならば捨てても惜しくない。
命は鴻毛より軽し
《司馬遷「報任少卿書」から。「鴻毛」は、鴻 (おおとり) の羽毛で、きわめて軽いもののたとえ》命を捨てることは、少しも惜しくない。→死は或いは泰山より重く或いは鴻毛より軽し
命は風前の灯の如し
《「法苑珠林」の「命は風中の灯の如し」から》危険が身に迫っていることのたとえ。また、人生のはかないことのたとえ。
命待つ間
命が終わるのを待つ間。「ありはてぬ—の程ばかりうき事しげく思はずもがな」〈古今・雑下〉