感染症などによる国際的な健康危機に対応するために世界保健機関(WHO)が定めた規則。「国際交通に与える影響を最小限に抑えつつ、疾病の国際的伝播を最大限防止すること」を目的とする。1951年に国際衛生規則(ISR)として制定され、1969年に現在の名称に改められた。交通・流通の国際化に伴い、発生地での初期対応の遅れが世界的な被害拡大につながる危険性を増していることなどから、2005年に大幅に改正。対象をそれまでの黄熱・コレラ・ペストの3疾患から「原因を問わず、国際的に公衆衛生上の脅威となりうる、あらゆる健康被害事象」に拡大。自然に発生した感染症だけでなく、テロや不慮の事故で漏出した化学物質・放射性物質による疾病の集団発生なども対象となる。IHR(International health regulations)。