・・・ 坂井新介様。とみ。 助監督のSさんからも、このごろお噂うけたまわって居ります。男爵というニックネームなんですってね。おかしいわ。 男爵は、寝床の中でそれを読んだ。はじめ、まず、笑った。ひどく奇怪に感じたのである。とみも、都会・・・ 太宰治 「花燭」
・・・[自注7]徳さんもこの暑いのに可哀そうに――坂井徳三がプロレタリア文化運動のため検挙されて未決にいた。[自注8]健坊――佐多稲子の長男健造。[自注9]山崎さんの伯父上――顕治の母の兄。 八月九日 〔市ヶ谷刑務・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・古い天皇制的な祝日が民主的な人民の祝日にかわろうとしている時、メーデーの歌が素朴な明るいメロディーをもって、人に知られない着実な生活をいとなんでいる主婦の一人である坂井照子さんによって作曲されたことも忘れられません。あの「町から村から工場か・・・ 宮本百合子 「一九四七・八年の文壇」
・・・第二回のなかでの徳永自身の話、岩上、坂井などの話とてらしあわせてよんでみると、きわめて示唆にとんだこんにちの諸問題が発見される。創作の実際にふれての話だけに問題はいきいきとしている。 座談会のこの部分では、第一に徳永から「もっと深くつっ・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・ これらに対する批判的追補として『プロレタリア文化』三月特輯号に掲載された同志松山、坂井の論文は、前者は全文化運動の新らしい活動家のタイプ、指導的理論家としての同志小林の輝やかしい発展を跡づけることによって、後者は前衛作家同志小林の全貌・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
出典:青空文庫