1 たれること。また、たれているもの。
「更紗の―を下げた、どす暗い料理場で」〈三重吉・小鳥の巣〉
2 垂れ駕籠 (かご) のむしろ戸。
3 帯やひもの端の結び下がり。
4 剣道の防具で、胴の下に垂らして腰部を保護するもの。
5 料理に用いる、液状の合わせ調味料。主に鍋物や、焼き鳥・照り焼き・蒲焼 (かばやき) などの焼き物に使う。
6 「垂れ味噌 (みそ) 」の略。
7 能に用いる仮髪 (かはつ) の一。両鬢 (びん) の所から肩の少し下まで垂らす。黒垂 (くろたれ) と白垂とがある。
8 漢字の構成部位の一。上から左下に垂れている部分。字形によって「厂(がんだれ)」「广(まだれ)」などとよぶ。
9 (接尾語的に用いて)その性質や状態をはっきり示すものをののしる意を表す。「ばか―」「しみっ―」「はな―」
出典:青空文庫
・・・、床の上へ乱れた頭を垂れた。そうしてついに空しくなった。…… 寛・・・ 芥川竜之介「或敵打の話」
・・・首を右の肩にがくりと垂れたまま黙っていた。 国道の上にはさすがに・・・ 有島武郎「カインの末裔」
・・・脚の所にも白い革紐が垂れていなくって、金属で拵えた首を持たせる物・・・ 著:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ 訳:森鴎外「罪人」