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・・・ 或る人々は、所謂「女でなければ解らない境域」に強味を予想し、完成を希望して、自らの性の裡にのみ閉じ籠もった芸術を創造しようとするだろう。 けれども過去現在の狭められた女性の生活、経験に満足しないで人としてもっと深く広く観、感じ味わ・・・
宮本百合子
「概念と心其もの」
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・・・一九三六年版の年刊には、果してどのように成長した時事的作品が短歌の境域に出現するか、見落せない期待のひとつです。 山田あき、田中律子という二人の婦人の作品はそれぞれ注意をひき「織布部のうた」は日々の生活の感情がにじみだしている粘着力のつ・・・
宮本百合子
「歌集『集団行進』に寄せて」