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・・・「では機会のあり次第、ぜひ一度は見ておおきなさい。夏山図や浮嵐図に比べると、また一段と出色の作です。おそらくは大癡老人の諸本の中でも、白眉ではないかと思いますよ」「そんな傑作ですか? それはぜひ見たいものですが、いったい誰が持ってい・・・
芥川竜之介
「秋山図」
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・・・す出べくとして出ずなりぬ梅の宿菜の花や月は東に日は西に裏門の寺に逢著す蓬かな山彦の南はいづち春の暮月に対す君に投網の水煙掛香や唖の娘の人となり鮓を圧す石上に詩を題すべく夏山や京尽し飛ぶ鷺一つ浅川の西し東す・・・
正岡子規
「俳人蕪村」