えびすうた【夷歌】
1 歌曲の歌いぶりで、粗野な田舎風のもの。ひなぶり。「古今仮名序に貫之の書ける、天の浮橋の—と云ふは則ち連歌なり」〈筑波問答〉 2 狂歌。「おしなべて—大はやり」〈咄・一雅話三笑〉 [補説]古事記の「夷振 (ひなぶり) 」、日本書紀の「夷曲 (ひなぶり) 」が誤解されて生じた語。
えびすぐさ【夷草/恵比須草】
1 マメ科の一年草。高さ約1.5メートル。葉は羽状複葉で、夏、葉のわきに黄色い花を1、2個つける。さやは細長く、弓形に曲がる。種子はひし形で、漢方で決明子 (けつめいし) といい薬用に、また、はぶ茶として飲用。北アメリカの原産で、日本には江戸時代に中国から渡来。ろっかくそう。 2 ワレモコウの別名。 3 シャクヤクの古名。えびすぐすり。
えびすごころ【夷心】
荒々しい心。転じて、田舎びて情趣を解しない心。「さるさがなき—を見ては、いかがはせむは」〈伊勢・一五〉
えびすぜん【夷膳/恵比須膳】
1 一人用の膳の側面を人の面前に向けて据えること。礼儀に反した行いとして忌まれる。横膳。 2 飯と汁とを反対に並べること。えびすおしき。左膳。