おく【奥】

の解説

1. １ 入り口・表から中のほうへ深く入った所。「洞窟の—」「引き出しの—を探す」

1. ２

   1. ㋐家屋の、入り口から内へ深く入った所。家族が起居する部屋。また、奥座敷。「主人は—にいます」「客を—へ通す」

   2. ㋑江戸時代、将軍・大名などの城館で、妻妾 (さいしょう) の住む所。「大 (おお) —」

1. ３

   1. ㋐表面に現れない深い所。内部。「言葉の—に隠された本音」

   2. ㋑心の底。内奥 (ないおう) 。「心の—を明かす」

   3. ㋒容易には知りえない深い意味。物事の神髄までの距離。「—が深い研究」

   4. ㋓芸や学問などの極致として会得されるもの。奥義。秘奥。「茶道の—を極める」

1. ４ 行く末。将来。

   1. 「伊香保ろの沿ひの榛原 (はりはら) ねもころに—をなかねそまさかし良かば」〈万・三四一〇〉

1. ５ 物事の終わりのほう。特に、書物・手紙・巻物などの末尾。

   1. 「—より端へ読み、端より—へ読みけれども」〈平家・三〉

1. ６ 《2㋑から》身分の高い人が自分の妻をいう語。また、貴人の妻の敬称。奥方。夫人。→奥さん →奥様

   1. 「この—の姿を見るに」〈浮・一代女・一〉

《「道の奥」の意》奥州。みちのく。

1. 1. 「風流の初 (はじ) めや—の田植うた」〈奥の細道〉

類語

• 底(そこ)
• 奥底(おくそこ)

出典：デジタル大辞泉（小学館）

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