長野県千曲 (ちくま) 市にある冠着 (かむりき) 山の別名。標高1252メートル。古くから「田毎 (たごと) の月」とよばれる月見の名所。更級 (さらしな) に住む男が、山に捨てた親代わりの伯母を、明月の輝きに恥じて翌朝には連れ戻しに行ったという、姨捨山伝説で知られる。[歌枕]
「わが心なぐさめかねつ更級や—に照る月をみて」〈古今・雑上〉
出典:青空文庫
・・・てられたも同然、私も姨捨山に居ります気で巣守をしますのでざいまして・・・ 泉鏡花「政談十二社」
・・・二人で負って行って、姨捨山へ捨てるんだ。さ、どちらでも構わない。た・・・ 泉鏡花「化銀杏」
・・・はないので、この犬は姨捨山へ往て、山に捨てられたのを喰うて生・・・ 正岡子規「犬」