・・・ 官営また私営の純粋な科学研究を目的とする研究所も少数にはある。そういう処は比較的最も自由な学者の楽天地である。しかしそういう処でも「絶対の自由」などという夢のようなものはおよそ有りそうもないようである。そういう理想郷の住民でも、時々は・・・ 寺田寅彦 「学問の自由」
・・・臨時工として種々の官営、民営工場に雇われ、工業部門に参加するようになって来た女の数はおびただしいものがあろう。市内のある工廠で一挙に数百人の女工を求めて来たので、市の紹介所は、小紡績工場の操短で帰休している娘たちを八王子辺から集めて、やっと・・・ 宮本百合子 「新しい婦人の職場と任務」
・・・そして、官営である日本の放送事業は、個人経営のアメリカなどとは違う。「その組織経営の優秀性は」「世界各国の放送事業中最も公益的色彩を濃厚にするものであり、従ってその具体的表現としてのプログラムも特異の存在を示している。我が番組編成の指導方針・・・ 宮本百合子 「「ラジオ黄金時代」の底潮」
出典:青空文庫