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・・・――八大竜王鳴渡りて、稲妻ひらめきしに、諸人目を驚かし、三日の洪水を流し、国土安穏なりければ、さてこそ静の舞に示現ありけるとて、日本一と宣旨を給りけると、承り候。―― 時に唄を留めて黙った。「太夫様。」 余り尋常な、・・・
泉鏡花
「伯爵の釵」
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・・・十七の時にはもう国司の宣旨が下った。ところが筑紫へ赴任する前に、ある日前栽で花を見ていると、内裏を拝みに来た四国の田舎人たちが築地の外で議論するのが聞こえた。その人たちは玉王を見て、あれはらいとうの衛門の子ではないかと言って騒いでいたのであ・・・
和辻哲郎
「埋もれた日本」