宿り取る
宿を借りる。「夕暮れのまがきは山と見えななむ夜は越えじと—・るべく」〈古今・離別〉
やどりぎ【宿木/寄生木】
1 他の木に寄生する草木。 2 ビャクダン科の常緑小低木。エノキ・桜など落葉樹の樹上に寄生し、高さ約50センチ。茎は緑色で、二また状によく分枝し、球状になる。葉は細長くて先が丸く、対生。雌雄異株。2月ごろ黄色の小花が咲き、11月ごろ黄色や赤色の丸い実がなる。実は粘液をもち、レンジャクなどの鳥に食われ、糞 (ふん) とともに種子が排出されて枝に粘着し、発芽する。 (宿木)源氏物語第49巻の巻名。薫大将、24歳から26歳。匂宮と夕霧の娘六の君との結婚や、中の君の落胆と出産、薫と女二の宮との結婚などを描く。
やどりのつかさ【宿官】
「しゅっかん(宿官)」に同じ。「—の権の守は」〈春曙抄本枕・一五六〉
やどりばえ【寄生蠅】
1 他の昆虫に寄生するハエ。ヤドリバエ・ニクバエなど。 2 双翅 (そうし) 目ヤドリバエ科の昆虫の総称。体は暗色で淡色の斑紋があり、毛深い。剛毛の目立つものを針蠅 (はりばえ) とよぶこともある。日中、花に集まるものが多く、幼虫は他の昆虫に寄生。アメリカシロヒトリに寄生するブランコヤドリバエ、蚕に寄生するカイコノウジバエなど。きせいばえ。
やどりばち【寄生蜂】
⇒きせいばち(寄生蜂)