いちかわえんのすけ【市川猿之助】
歌舞伎俳優。屋号、沢瀉屋 (おもだかや) 。 (2世)[1888〜1963]東京の生まれ。晩年に猿翁を名乗る。劇団春秋座を結成、劇界の改新を図った。また多くの新舞踊・新歌舞伎を上演。 (3世)[1939〜2023]東京の生まれ。の孫で、3世市川段四郎の長男。外連 (けれん) を駆使し、「スーパー歌舞伎」を作り上げた。2世猿翁。
いちかわこん【市川崑】
[1915〜2008]映画監督。三重の生まれ。本名、儀一。初期は都会的な風俗喜劇で人気を集めたが、その後次々と文芸作品や記録映画を手がける。代表作は三島由紀夫の「金閣寺」を映画化した「炎上」、幸田文原作「おとうと」のほか、「ビルマの竪琴 (たてごと) 」「東京オリンピック」、横溝正史原作「犬神家の一族」「八つ墓村」など。平成6年(1994)文化功労者。
いちかわさだんじ【市川左団次】
歌舞伎俳優。屋号、高島屋。 (初世)[1842〜1904]大阪の生まれ。9世市川団十郎・5世尾上菊五郎とともに明治の三名優と称された。のち明治座の座主。 (2世)[1880〜1940]初世の子。東京の生まれ。小山内薫と自由劇場を創立。新歌舞伎を創始。
いちかわし【市川市】
⇒市川
いちかわじゅん【市川準】
[1948〜2008]映画監督。東京の生まれ。本名、純。多くのテレビコマーシャルを手がけたのち、「BU・SU」で劇場映画を初監督。代表作は、吉本ばなな原作「つぐみ」、若い漫画家たちの群像劇「トキワ荘の青春」、村上春樹原作「トニー滝谷」のほか、「たどんとちくわ」「ざわざわ下北沢」など。
いちかわしょういち【市川正一】
[1892〜1945]社会主義運動家。山口の生まれ。日本共産党創立に参加。機関紙「赤旗」の編集責任者。昭和4年(1929)四・一六事件で検挙され、獄死。著「日本共産党闘争小史」など。
いちかわだんじゅうろう【市川団十郎】
歌舞伎俳優。屋号、成田屋。江戸歌舞伎を代表する名門で、荒事 (あらごと) の宗家。 (初世)[1660〜1704]一説では14歳で荒事を創始したといわれ、三升屋兵庫の名で脚本も書いた。俳優生島半六に舞台で刺殺された。 (2世)[1688〜1758]江戸の人。初世の長男。隈取 (くまど) りの工夫など荒事を洗練させ、市川家の芸として確立した。 (7世)[1791〜1859]江戸の人。5世の孫。歌舞伎に能を取り入れるなど革新に努めた。歌舞伎十八番を選定。 (9世)[1838〜1903]江戸の人。8世の弟、7世の五男。本名、堀越秀 (ほりこしひでし) 。活歴と称する新作の歴史劇を演じた。明治の劇聖とよばれる。 (11世)[1909〜1965]東京の生まれ。7世松本幸四郎の長男で、10世の養子。本名、堀越治雄 (ほりこしはるお) 。天性の美貌と華のある芸風で人気を博した。 (12世)[1946〜2013]東京の生まれ。11世の長男。本名、堀越夏雄 (ほりこしなつお) 。歌舞伎十八番の継承・復活に尽力。パリのオペラ座など、海外での公演にも積極的に取り組んだ。
いちかわだんぞう【市川団蔵】
歌舞伎俳優。屋号、三河屋。 (初世)[1684〜1740]初世市川団十郎の門弟で、荒事 (あらごと) ・敵役 (かたきやく) の名優。 (4世)[1745〜1808]京都の人。3世の養子。早変わりで有名。 (7世)[1836〜1911]6世の養子。7世団十郎の門弟。非凡な芸を持ち、明治を代表する名優の一人とされる。
いちかわふさえ【市川房枝】
[1893〜1981]婦人運動家・政治家。愛知の生まれ。平塚らいてうと新婦人協会を設立し、婦人参政権獲得のために活躍。第二次大戦後、新日本婦人同盟を結成。昭和28年(1953)参議院議員となり、売春防止法制定・政界浄化などに尽力。
いちかわりゅう【市川流】
日本舞踊の流派の一。7世市川団十郎に始まり、9世団十郎によって芸風が確立された。