・・・一九一四年度ロシアの中学校、実務学校、予備学校における学生の出身階級の分布 世襲貴族の子弟 六・三 貴族及高官 一八・四 宗教家 四・八 紳士及紳商 九・六 商人、組合の親方 三二・一・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・一九二八―九年の経済年度から今回の五ヵ年計画が着手された時、資本主義国の「通」は先ず云った。「何だ! 別に珍しいことじゃないよ。ソヴェトではこれまでだって五ヵ年計画でやって来たんだ。」それから、続けて云った。「ところで、この五ヵ年計画なるも・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・三五年度の人々の漫画を一平が描き私をも描いている。人間としての本質を把えることができず、あいまいに描いているところはかえって面白く思われました。子供の劇団がイソップ物語をやっております。切符をもらった。観にゆくつもりです。ではおやすみなさい・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
小学校は六年で卒業と私たちの頭に刻まれていた観念は、国民学校になると、八年制に改まる。毎年小学校を卒業する子供たちの数は随分夥しいもので、昭和十四年度には凡そ二百三十七万人余であった。これは尋常科高等科卒業と高等一年修了の・・・ 宮本百合子 「国民学校への過程」
・・・一九五〇年度の文学現象のこのような特性は、それ自身として決して孤立した社会現象ではないのである。 そのようなこんにち、一方では、社会的・歴史的な人類としてわれわれが生きている証左たる、理性の覚醒としての文学、を要望する思いが、切実である・・・ 宮本百合子 「心に疼く欲求がある」
・・・ 一九四九年度の文学現象の特質は、このつくられた恐慌の裏づけぬきに観察されない。「所謂戦後派と言われたヨーロッパ的小説方法の実践者の運動が、出版景気の減退に伴って不利になって来た」不利は、物的事情にとどまらず、業者とその気分に雷同する一・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・ 本年度の国庫予算は六月下旬に議会を通過した。総額三、九九三億円である。前年度の予算総額は二、一四三億円であった。ほとんど倍額に近いこの予算総額は、最近における日本のインフレーションのすくいがたい悪化を物語っており、同時に一般人・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・今度出版される昭和十四年度の『雑誌年鑑』の見本の一隅に、文化、文芸賞要覧というのがあって、そこを見たら帝国学士院賞や文化勲章までを入れて凡そ二十二種の賞の名が並んでいた。数の上では文運隆盛の趣を示しているかのようである。 一体、日本の現・・・ 宮本百合子 「今日の文学と文学賞」
・・・を文化にもたらす組織として成立し、事業を物故文芸家慰霊祭、遺品展覧会、昨年度優秀文学作品表彰、機関誌『文芸懇話会』の発行とした。そして昭和九年度の文芸懇話会賞は会員である横光利一氏の「紋章」と室生犀星氏の「兄いもうと」におくられたのであった・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
・・・昭和七年度の記述と、ほとんどそのままである。山口氏の文章の片仮名が、丹羽氏の小説では平仮名にかかれ、いくらか内面的な記述が加わっているが。 山口一太郎氏の二・二六真相が、どうしてこういう風な形で同時にいくところへもあらわれたのだろう。中・・・ 宮本百合子 「作家は戦争挑発とたたかう」
出典:青空文庫