・・・ コーヒー漫筆がついついコーヒー哲学序説のようなものになってしまった。これも今しがた飲んだ一杯のコーヒーの酔いの効果であるかもしれない。 寺田寅彦 「コーヒー哲学序説」
・・・この論文の始めの序説中、日本人の独創能力に乏しい事を述べた一節に、チャンバレーン博士の言ったという言葉を引いて、「この邦土で純粋に日本固有というべきものはただ二つ、それは風呂桶とそうしてポエトリーである」と述べている。また「もっと意地の悪い・・・ 寺田寅彦 「連句雑俎」
・・・二人の筆者は、マルクスが「経済学批判序説」の終りで云っている文化に対する一句を同じく引用し、等しくその上に立場を求めて、この数年来世界文芸批評の分野に立ちあらわれている科学的批評の態度を否定している。古典の生れた環境の解明だけでは新しく文化・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
出典:青空文庫